人間花火



多くのエネルギーを体に詰め 全てを
急激な加速の為にだけ 使う

多くの命を奪いながら
エネルギーを溜め込んで
水を大量に飲み込み
爆発のように走ってゆく

花火 ハイテンションを維持する
これは 花火

わずか一瞬の美のため
自分自身の全てを消費する

頭の中 純粋な高昇感だけになり
誰よりも速く走りたい 貪欲さが それを後押しする
体は 無機物のように感じ始め
花火は 最後の華を散らし始める

その後には 残骸が残る
誰も見ない
走り終えた残骸が転がっている

人間が 転がっている



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